スペイン 風邪 の 終息。 「サーズ」「マーズ」「スペイン風邪」の大流行はどのようにして収束したのか?

「早さ」と「徹底」がやはり対策の鍵、スペインかぜの教訓

スペイン 風邪 の 終息

人類の歴史上における 最大規模のパンデミックを引き起こすことになった スペイン風邪の 世界的な大流行においては、 1918 年 3 月から 1919 年 9 月という 1 年半ほどの期間にわたって ヨーロッパとアジアを中心とする 世界各地で ウイルスが猛威を振るい続け、 当時の世界人口の 4 分の 1にあたるおよそ 5 億人の感染者と 5000 万人の死者を出したと推定されていますが、 逆に言えば、 こうした スペイン風邪の病原体となった 変異型のインフルエンザウイルスは、 世界の隅々にまで 感染を拡大していって 人々の命をかつてないほどに多く奪っていくほどに 強力なウイルスだったのにもかかわらず、 なぜそのまま 永続的に世界中の人々を苦しめ続けることなく、 わずか 1 年半 という期間で姿を消して終息してしまうことになったのでしょうか? スポンサーリンク 弱毒性のウイルスへの変異と通常の季節性のインフルエンザへの融合 そうすると、まず、 スペイン風邪の 世界的な流行は、 大きく分けて、 1918 年の春にはじまる 第一波、 1918 年の秋にはじまる 第二派、 1919 年の春にはじまる 第三派という 三つの流行の波に分かれていく形で 感染拡大が進行していったと考えられることになるのですが、 このうち、 最初の流行となった 第一波の感染拡大の時期における スペイン風邪の致死率は それほど高くなかったと考えられていて、 スペイン風邪による 死者の多くは、ウイルスが 強毒株へと変異した後の 第二波と 第三波の感染拡大の時期に発生することになったと考えられています。 そして、このように、 スペイン風邪と呼ばれる 同じ感染症の原因となったウイルスが 数か月から半年という 比較的短期間のうちに弱毒株から 強毒株へと変異してしまうということは、 それとは逆に、 こうしたまだ 人間の社会の内に定着しきっていない 新型のウイルスにおいては、 比較的短期間のうちに、強毒株から 弱毒株への変異も 容易に起こり得るとも考えられることになります。 そして、 ウイルスの側にとっては、 宿主となる人間のことを死へと至らしめてしまうような 強毒性のウイルスは、本来、その ウイルスの種族の存続という面においては 必ずしも有利ではなく、 むしろ、 宿主となる人間が死に至ることがない程度に できるだけ長く感染状態を持続させていき、その間に、 次の感染相手へと乗り移っていくことができる 弱毒性のウイルスの方が 人間の社会の内に定着して 長く存続しやすいと考えられることになるのですが、 そういった意味では、 こうした 強毒性のスペイン風邪のウイルスは、 当初は、 人間の側が免疫を持っていないという ウイルスにとって非常に有利な条件があったために、 強力な感染力と致死率によって猛威を振るうことになったものの、 感染の拡大と共に、 人間の側にも徐々に 免疫を持った人々が増えていくことによって、当初の 圧倒的な優位性は 次第に減少していくことになり、 その後、 新たに変異していくことになったと考えられる 弱毒性のウイルスや、そうした弱毒性のウイルスと 互いに混じり合っていくことになった 通常の季節性のインフルエンザウイルスなどによって 感染の場を奪われていくことで 急速にその勢力を弱めていくことになっていったと考えられることになるのです。 スポンサーリンク 治癒者の増加による社会全体におけるウイルスに対する免疫力の向上 また、そもそも、 スペイン風邪の 世界的な流行においては、確かに、 数多くの死者が発生してしまうことになったものの、それと同時に、 それ以上に多くの治癒者も生み出されることになったと考えられることになります。 そして、 こうして 短期間の内に生み出されることになった スペイン風邪に対して 免疫を持つ数多くの治癒者は、その後の スペイン風邪の流行の期間においては、同じ病気への 再感染のリスクが 非常に低くなっていたと考えられ、 このようにして新たに生み出されることになった スペイン風邪の治癒者たちが、 人間の社会の内で、言わば、 感染拡大を防ぐ防波堤のような役割を果たしていくことによって、 その後の スペイン風邪の流行の広がりが 徐々に抑えられていくことになっていったとも考えられることになるのです。 人類の側の防疫対策による社会活動の停滞 そして、さらに、もう一つの要因としては、 こうした スペイン風邪の原因となった 変異型のインフルエンザウイルスは、 世界の人々の 社会生活を大きく歪めてしまうほどに 強力なウイルスであったがゆえに、 かえって 人間社会の内に長くとどまり続けることができなかったという見方もできると考えられることになります。 スペイン風邪のように 感染力も致死率も高い強力な 新型ウイルスが 世界的に流行してしまうことになると、 人類の側は自分たちの 社会を守るために、必然的に、それぞれの 国家や地域における 防疫対策と医療体制の強化へと乗り出していくことになります。 例えば、 1918 年の時点における 日本国内での スペイン風邪の流行においては、 本土への 海上輸送などを厳しく制限したことなどが一因となって国内における 感染拡大と致死率が 比較的低く抑えられていたという記録も残されていますが、 こうした 防疫対策などを通じて 人間の社会における 社会活動が停滞していくことにより、ウイルスが次第に 効率的に感染を拡大する場を失っていくことによって、 スペイン風邪の流行は 徐々に終息へと向かっていくことになっていったとも考えられることになるのです。 ・・・ 次回記事: 前回記事: 「」のカテゴリーへ カテゴリー• 843• 640• 118• 184• 523• 125• 204• 333• 278• 593• 338• 153• 143• 310• 240• 125•

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スペイン風邪後の状況とコロナ後を比較して分かった勝利の方程式

スペイン 風邪 の 終息

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に関する報道は、ときには怪しげで、ときには矛盾した統計で溢れている。 画面のなかを流れ、メールやツイートで拡散される数字のなかで最もやっかいなのは、致死率(CFR)、すなわち既知の感染者数に占める死亡者の割合だ。 パンデミックが始まったばかりのころ、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症「」の平均致死率を2パーセントと、その後それを3. 4パーセントに。 一方、多数の疫学者は、世界全体におけるCOVID-19の致死率は1パーセントほどだと主張している。 わずかな差に思えるかもしれない。 だが、この割合を大人数に当てはめると、全体の死亡者数はかなり違ってくる。 現在進行中のパンデミックの場合には、致死率の算出はと専門家もいる。 その理由とは検査数の不足に加えて、感染症の発症から死亡までの時間差によって、致死率の算出時に推定される感染者数や死亡者数に偏りが生じるからだ。 こうした専門家からの助言にもかかわらず、ニュースの報道やソーシャルメディア上の議論はCOVID-19の致死率に執着し、その数字を歴史上のほかの感染症の致死率と比較することに躍起になっている。 特に繰り返し論じられている主張は、COVID-19の致死率は最低でも2パーセントと驚くほど高く、1918年に世界的に大流行したインフルエンザの致死率に匹敵するというものだ。 俗に「スペイン風邪」と呼ばれるこのインフルエンザは、歴史上最悪のアウトブレイク(集団感染)のひとつを引き起こした。 だが実のところ、COVID-19とスペイン風邪の比較には重大な欠陥がある。 さらに、この比較の基になる数値は、ほぼ確実に間違っている。 全世界における感染者数とされる「5億人」(当時の世界総人口の約3分の1に相当する)、死亡者数とされる「5,000万〜1億人」、そして致死率と言われる「2. 5パーセント」だ。 だが、この3つのデータが矛盾なく成立することは、数学的には不可能である。 致死率とは、感染症のパンデミックが終息したあとに算出された全死亡者数を、全感染者数で割った数字だ。 各国・各都市の致死率も、全世界の平均致死率も、同じように算出される。 仮にスペイン風邪の全世界の感染者数が5億人で、死亡者数が5,000万〜1億人だったとすると、致死率は10〜20パーセントになる。 致死率が2. 5パーセントで感染者数が5億人だったとすると、死亡者数は1,250万人だ。 また、2. 5パーセントの致死率で5,000万人が死亡するには、少なくとも20億人が感染していなければならない。 だが、それでは1918年当時の世界総人口である18億人よりも感染者数のほうが多くなってしまう。 出典元で唐突に示されていた数字たち こうした矛盾を不思議に思い、これらの数字の出典元を調べてみた。 まず、スペイン風邪の正確な感染者数および死亡者数は、誰にもわからない。 このふたつの推定値は、概して時間の経過とともに増加し、研究者たちはいまだに議論を続けている。 1918年のパンデミックによる全世界での死亡者数に言及する際、大半の人が引用するのが『Emerging Infectious Diseases』誌に発表されただ。 同誌を刊行している米疾病管理予防センター(CDC)は、この論文をCDCのウェブサイトに目立つように。 グーグルで「Spanish flu fatality」(スペイン風邪 死者数)と検索すると、最初にヒットする論文もこれだ。 この論文は冒頭の段落で、あまりに広く引用されている3つの矛盾する数字を、なんの脈絡もなく挙げている。 スペイン風邪における感染者数は5億人、死亡者数は5,000万〜1億人、致死率は2. 5パーセントというあのデータだ。 つまり、地域によって致死率がある程度は異なることを示唆しているのかもしれない。 だが、この数値が全世界の感染者数および死亡者数と並べて掲載されているせいで、ほとんどの読者は致死率も全世界の平均だと解釈しているのだ。 5パーセント」の謎 論文の著者たちが致死率を2. 5パーセントとした経緯は不明だ。 この数値の参考文献として挙げられているふたつの出典も、この数字を裏付けるものではない。 ひとつは1980年に出版されただ。 同書はスペイン風邪の全世界の致死率を4パーセントとしているが、これは論文に書かれている致死率の約2倍である。 もうひとつは、医学ライターと医学を専門とする図書館員が執筆しただ。 この書籍では、スペイン風邪の原因となったインフルエンザウイルスの全世界における感染率は28パーセントで、2,200万人超の人々が死亡したとしている。 そこから計算できる全世界の致死率は、最低でも4. 3パーセントになる。 矛盾を明らかにすべく06年の論文の著者たちに連絡をとったところ、ひとりからは返答がなかった。 もうひとりは「あなたが言及している数字は、わたしたちの数字ではありません。 でも、ほかの科学者たちは広く引用しているデータです」と答えた。 そのうえで、「あなたが引用する数値が正確かどうかについては、何も意見はありません」と続けた。 そして、06年の論文で示した数値を導いた科学者たちに連絡してみてはどうかと言った。 残念ながら、致死率2. 5パーセントの出典と考えられるふたつの文献は40年以上も前に出版されており、著者たちは他界していた。 致死率として合理的な推定値 だが、公衆衛生の専門家であるニーアル・ジョンソンとは連絡がとれた。 彼は1918年のパンデミックの際のデータとしてしばしば引用される、死亡者数5,000万〜1億人という推定値を算出したの筆頭著者である。 そのジョンソンは、「実際の致死率は、よく言われる(2. 5パーセントの)数字よりも高いはずです」と断言した。 04年にを著した歴史家のジョン・バリーも、2. 5パーセントという数値はあまりにも低すぎるという見解に同意する。 スペイン風邪の致死率は、米国などの先進諸国では恐らく約2パーセントだったが、その他の地域ではそれよりはるかに高かっただろうというのが、彼の見解だ。 今年3月初めには、ジョンズ・ホプキンス大学の疫学者ジェニファー・リーも、『ロサンジェルス・タイムズ』でスペイン風邪の全世界の致死率は10パーセント近くだった可能性があると。 なお、スペイン風邪の感染者数を、1918年の世界総人口の25〜75パーセント、死亡者数を2,500万〜1億人と幅をとって考えることによって、全世界の致死率として妥当と思われる数値の幅を計算できる。 この幅で考えると、スペイン風邪による全世界の致死率として合理的な推定値は6〜8パーセントだ。 誤解のないように言うと、この数値はスペイン風邪の感染者のうち6〜8パーセントが死亡したことを意味する。 全世界の人口に対してスペイン風邪による死亡者数が占める比率、つまり(感染者と非感染者を合わせた)世界総人口に占めるスペイン風邪の死亡者の比率は、おおかた2〜4パーセントだろう。 この数字と、スペイン風邪による致死率を考えると、スペイン風邪を巡って広まっている統計上の混乱の一部は、ある程度は説明がつくかもしれない。 実体のない数字が拡散される すでに述べた通り、スペイン風邪の致死率が2. 5パーセントである場合、少なくとも5,000万人が死亡したという結果を導くことは、当時の世界総人口からすると数学的に不可能である。 それにもかかわらず、この実体のない統計値は広範囲に拡散し、ブログからTwitter、『』、最も権威ある医学誌にいたるまで、あらゆるところで言及されている。 この矛盾する数字は、医学誌『The New England Journal of Medicine(NEJM)』に2月末に掲載されたでも引用されている。 そこで同誌の編集者や統計コンサルタントに連絡をとり、統計値の間違いを指摘し、間違いが生じた原因と思われる事実について発見した内容を説明した。 数日後、同誌のメディアアンドコミュニケーション部長のジェニファー・ジズから回答があった。 「著者たちは異なる情報源を基にしており、情報源によって食い違う数値が出ていたのでしょう。 たとえその数値が矛盾するとしても、いずれの数値も出版されている情報源に基づいています」 もちろん、推定値はさまざまだ。 ここで問題にしているパンデミックは1世紀以上も前に発生したので、完全あるいは正確な記録と言えるようなものはない。 だからといって、非常に明白な数学的な矛盾の言い逃れをしたり、学者としての責任放棄を正当化したりすることはできない。 論文の間違いが、論文の信頼性を担保する査読という網をかいくぐり、見過ごされたなら、その間違いはただちに修正されるべきである。 論文の間違いが誤解やパニックをもたらす恐れがある場合は、なおさらだ。 スペイン風邪とCOVID-19は違う スペイン風邪はウイルスによる大惨事の代名詞になった。 そしていま、新型コロナウイルスのパンデミックと言えば、スペイン風邪の場合と同様だと思われている。 スペイン風邪と新型コロナウイルスを同じように捉える間違った見方は、公表されるべきではなかったまことしやかな統計値によるところが大きい。 スペイン風邪と同規模のパンデミックの再来は確かに起こりうることであり、むしろ避けがたいことでもあるだろう。 だが、COVID-19の致死率および感染力に関する3月半ばの時点での推定値、さらには公衆衛生政策に対するCOVID-19の反応が示唆するのは、相対的に見ると今回のパンデミックは1918年の惨状には匹敵しないということだ。 スペイン風邪によって当時の世界総人口の3パーセントが死亡して、それを現在の総人口に当てはめれば、2億3,000万人が亡くなることになる。 現在の危機と1918年のパンデミックを軽々に比較すべきではない理由は、ほかにも数多くある。 まず、医療に関するインフラと技術に歴然とした差があること。 そして、スペイン風邪は第一次世界大戦の惨禍と重なったこと。 また、若年層が亡くなるという、スペイン風邪特有の傾向があったこと。 さらに、1918年のインフルエンザの感染者のうち、最多ではないにせよ、かなりの人々が(大量生産できる抗生物質がまだ存在していなかったせいで)二次感染で亡くなったことである。 全世界の致死率は平均値にすぎず、いかなる流行病の致死率も年齢、人口、地勢によってかなり異なる。 例えば、スペイン風邪の流行時の致死率は、ある地域では1パーセント未満だったが、アラスカのある村では90パーセントだった。 とはいえ、表面的な比較を行えば、このふたつの感染症の間にある数多くの違いがさらに見過ごされてしまう。 いま生じうる現象の予測に、1世紀前のパンデミックに関する怪しげな統計を用いてはならない。 WHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェススが3月3日、新型コロナウイルスによる全世界の致死率は3. 4パーセントだと発表したが、その内容は既知の死亡者数を既知の感染者数で割った結果にすぎず、適正な推定値や確定的な数値ではなかった。 これに対して、感染症の数理モデルを扱う数学者アダム・クチャルスキーと彼の同僚らは、中国におけるCOVID-19の致死率が実際には0. 3〜2. 4パーセントであるとの計算結果を3月に。 、COVID-19の全世界の致死率もクチャルスキーらが示した数値とと。 ただ、この種の推定値は時間の経過や検査数の増加によって変化し続けるものである。 広範な検査が実施されても、COVID-19の全世界の致死率は2パーセント以下にとどまると専門家もいる。 しかし、全世界における最終的な致死率は、現時点でのデータが示す値よりも高くなる可能性もある。 09年に発生したH1N1インフルエンザのパンデミックの際、流行初期に推定された致死率は、実際の値の。 一方、02〜04年に重症急性呼吸器症候群(SARS)のアウトブレイクが続いたとき、初期に推定された致死率は実際の値の。 変動する数字にしがみつくことの危うさ 新型コロナウイルスのパンデミックは重大な脅威であり、迅速かつ大胆な対応を要する。 致死率が0. 5〜1パーセントだとしても、人口が多く相互接続されているわたしたちの世界においては、極めて警戒すべき確率だ。 そして、もうひとつ考慮すべき重要な事柄がある。 それは、COVID-19が致命的ではなくとも、何週間も続く重症疾患を引き起こし、医療資源に過大な負担をかけたり、生涯にわたる健康問題を一部の人々にもたらしたりする恐れがあることだ。 世界中で新型コロナウイルスのアウトブレイクの拡大が抑制されなければ、特に高齢者や基礎疾患がある人々の間で膨大な数の感染者や死亡者が発生する事態を目の当たりにするだろう。 感染症の専門家は3月初め、新型コロナウイルスのパンデミックの規模が、世界中で100万〜400万人が死亡したと推定される1957年の鳥インフルエンザのパンデミックの規模に達する可能性があると。 だが、その可能性は生じうるひとつの過程にすぎない。 いま進行しているパンデミックの結果はひとつの統計値ではなく、感染者の脆弱性、公衆衛生介入の速度と規模、政府の透明性など、社会、経済、環境といったさまざまな要因によって形成されるはずだ。 数値や図表があると、それによって示される事実は確実だという安心感が生まれる。 しかし、危機が進行しているとき、こうした確信は誤解である場合があまりにも多い。 十年以上も前につくり出されたひとつの不正確な統計値が突然広まり、パニックや物資の無意味な買いだめを誘発し、その物資を最も必要とする人々から奪うことになりかねない。 専門家やジャーナリストが、いいかげんな研究から無批判に数値を抜き出し、変動する統計上の数字にしがみつき、そうしたデータを指針として軽率に示すなら、人々を啓発するのではなく混乱させる結果になるだろう。 window. wired. 画面のなかを流れ、メールやツイートで拡散される数字のなかで最もやっかいなのは、致死率(CFR)、すなわち既知の感染者数に占める死亡者の割合だ。 パンデミックが始まったばかりのころ、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症「 COVID-19」の平均致死率を2パーセントと、その後それを3. 4パーセントに。 一方、多数の疫学者は、世界全体におけるCOVID-19の致死率は1パーセントほどだと主張している。 わずかな差に思えるかもしれない。 だが、この割合を大人数に当てはめると、全体の死亡者数はかなり違ってくる。 現在進行中のパンデミックの場合には、致死率の算出はと専門家もいる。 その理由とは検査数の不足に加えて、感染症の発症から死亡までの時間差によって、致死率の算出時に推定される感染者数や死亡者数に偏りが生じるからだ。 こうした専門家からの助言にもかかわらず、ニュースの報道やソーシャルメディア上の議論はCOVID-19の致死率に執着し、その数字を歴史上のほかの感染症の致死率と比較することに躍起になっている。 特に繰り返し論じられている主張は、COVID-19の致死率は最低でも2パーセントと驚くほど高く、1918年に世界的に大流行したインフルエンザの致死率に匹敵するというものだ。 俗に「スペイン風邪」と呼ばれるこのインフルエンザは、歴史上最悪のアウトブレイク(集団感染)のひとつを引き起こした。 だが実のところ、COVID-19とスペイン風邪の比較には重大な欠陥がある。 さらに、この比較の基になる数値は、ほぼ確実に間違っている。 互いに矛盾する3つの数字 スペイン風邪に関して、新聞や科学誌がよく言及する3つの数字がある。 全世界における感染者数とされる「5億人」(当時の世界総人口の約3分の1に相当する)、死亡者数とされる「5,000万〜1億人」、そして致死率と言われる「2. 5パーセント」だ。 だが、この3つのデータが矛盾なく成立することは、数学的には不可能である。 致死率とは、感染症のパンデミックが終息したあとに算出された全死亡者数を、全感染者数で割った数字だ。 各国・各都市の致死率も、全世界の平均致死率も、同じように算出される。 仮にスペイン風邪の全世界の感染者数が5億人で、死亡者数が5,000万〜1億人だったとすると、致死率は10〜20パーセントになる。 致死率が2. 5パーセントで感染者数が5億人だったとすると、死亡者数は1,250万人だ。 また、2. 5パーセントの致死率で5,000万人が死亡するには、少なくとも20億人が感染していなければならない。 だが、それでは1918年当時の世界総人口である18億人よりも感染者数のほうが多くなってしまう。 出典元で唐突に示されていた数字たち こうした矛盾を不思議に思い、これらの数字の出典元を調べてみた。 まず、スペイン風邪の正確な感染者数および死亡者数は、誰にもわからない。 このふたつの推定値は、概して時間の経過とともに増加し、研究者たちはいまだに議論を続けている。 1918年のパンデミックによる全世界での死亡者数に言及する際、大半の人が引用するのが『Emerging Infectious Diseases』誌に発表されただ。 同誌を刊行している米疾病管理予防センター(CDC)は、この論文をCDCのウェブサイトに目立つように。 グーグルで「Spanish flu fatality」(スペイン風邪 死者数)と検索すると、最初にヒットする論文もこれだ。 この論文は冒頭の段落で、あまりに広く引用されている3つの矛盾する数字を、なんの脈絡もなく挙げている。 スペイン風邪における感染者数は5億人、死亡者数は5,000万〜1億人、致死率は2. 5パーセントというあのデータだ。 つまり、地域によって致死率がある程度は異なることを示唆しているのかもしれない。 だが、この数値が全世界の感染者数および死亡者数と並べて掲載されているせいで、ほとんどの読者は致死率も全世界の平均だと解釈しているのだ。 5パーセント」の謎 論文の著者たちが致死率を2. 5パーセントとした経緯は不明だ。 この数値の参考文献として挙げられているふたつの出典も、この数字を裏付けるものではない。 ひとつは1980年に出版されただ。 同書はスペイン風邪の全世界の致死率を4パーセントとしているが、これは論文に書かれている致死率の約2倍である。 もうひとつは、医学ライターと医学を専門とする図書館員が執筆しただ。 この書籍では、スペイン風邪の原因となったインフルエンザウイルスの全世界における感染率は28パーセントで、2,200万人超の人々が死亡したとしている。 そこから計算できる全世界の致死率は、最低でも4. 3パーセントになる。 矛盾を明らかにすべく06年の論文の著者たちに連絡をとったところ、ひとりからは返答がなかった。 もうひとりは「あなたが言及している数字は、わたしたちの数字ではありません。 でも、ほかの科学者たちは広く引用しているデータです」と答えた。 そのうえで、「あなたが引用する数値が正確かどうかについては、何も意見はありません」と続けた。 そして、06年の論文で示した数値を導いた科学者たちに連絡してみてはどうかと言った。 残念ながら、致死率2. 5パーセントの出典と考えられるふたつの文献は40年以上も前に出版されており、著者たちは他界していた。 致死率として合理的な推定値 だが、公衆衛生の専門家であるニーアル・ジョンソンとは連絡がとれた。 彼は1918年のパンデミックの際のデータとしてしばしば引用される、死亡者数5,000万〜1億人という推定値を算出したの筆頭著者である。 そのジョンソンは、「実際の致死率は、よく言われる(2. 5パーセントの)数字よりも高いはずです」と断言した。 04年にを著した歴史家のジョン・バリーも、2. 5パーセントという数値はあまりにも低すぎるという見解に同意する。 スペイン風邪の致死率は、米国などの先進諸国では恐らく約2パーセントだったが、その他の地域ではそれよりはるかに高かっただろうというのが、彼の見解だ。 今年3月初めには、ジョンズ・ホプキンス大学の疫学者ジェニファー・リーも、『ロサンジェルス・タイムズ』でスペイン風邪の全世界の致死率は10パーセント近くだった可能性があると。 なお、スペイン風邪の感染者数を、1918年の世界総人口の25〜75パーセント、死亡者数を2,500万〜1億人と幅をとって考えることによって、全世界の致死率として妥当と思われる数値の幅を計算できる。 この幅で考えると、スペイン風邪による全世界の致死率として合理的な推定値は6〜8パーセントだ。 誤解のないように言うと、この数値はスペイン風邪の感染者のうち6〜8パーセントが死亡したことを意味する。 全世界の人口に対してスペイン風邪による死亡者数が占める比率、つまり(感染者と非感染者を合わせた)世界総人口に占めるスペイン風邪の死亡者の比率は、おおかた2〜4パーセントだろう。 この数字と、スペイン風邪による致死率を考えると、スペイン風邪を巡って広まっている統計上の混乱の一部は、ある程度は説明がつくかもしれない。 実体のない数字が拡散される すでに述べた通り、スペイン風邪の致死率が2. 5パーセントである場合、少なくとも5,000万人が死亡したという結果を導くことは、当時の世界総人口からすると数学的に不可能である。 それにもかかわらず、この実体のない統計値は広範囲に拡散し、ブログからTwitter、『』、最も権威ある医学誌にいたるまで、あらゆるところで言及されている。 この矛盾する数字は、医学誌『The New England Journal of Medicine(NEJM)』に2月末に掲載されたでも引用されている。 そこで同誌の編集者や統計コンサルタントに連絡をとり、統計値の間違いを指摘し、間違いが生じた原因と思われる事実について発見した内容を説明した。 数日後、同誌のメディアアンドコミュニケーション部長のジェニファー・ジズから回答があった。 「著者たちは異なる情報源を基にしており、情報源によって食い違う数値が出ていたのでしょう。 たとえその数値が矛盾するとしても、いずれの数値も出版されている情報源に基づいています」 もちろん、推定値はさまざまだ。 ここで問題にしているパンデミックは1世紀以上も前に発生したので、完全あるいは正確な記録と言えるようなものはない。 だからといって、非常に明白な数学的な矛盾の言い逃れをしたり、学者としての責任放棄を正当化したりすることはできない。 論文の間違いが、論文の信頼性を担保する査読という網をかいくぐり、見過ごされたなら、その間違いはただちに修正されるべきである。 論文の間違いが誤解やパニックをもたらす恐れがある場合は、なおさらだ。 スペイン風邪とCOVID-19は違う スペイン風邪はウイルスによる大惨事の代名詞になった。 そしていま、新型コロナウイルスのパンデミックと言えば、スペイン風邪の場合と同様だと思われている。 スペイン風邪と新型コロナウイルスを同じように捉える間違った見方は、公表されるべきではなかったまことしやかな統計値によるところが大きい。 スペイン風邪と同規模のパンデミックの再来は確かに起こりうることであり、むしろ避けがたいことでもあるだろう。 だが、COVID-19の致死率および感染力に関する3月半ばの時点での推定値、さらには公衆衛生政策に対するCOVID-19の反応が示唆するのは、相対的に見ると今回のパンデミックは1918年の惨状には匹敵しないということだ。 スペイン風邪によって当時の世界総人口の3パーセントが死亡して、それを現在の総人口に当てはめれば、2億3,000万人が亡くなることになる。 現在の危機と1918年のパンデミックを軽々に比較すべきではない理由は、ほかにも数多くある。 まず、医療に関するインフラと技術に歴然とした差があること。 そして、スペイン風邪は第一次世界大戦の惨禍と重なったこと。 また、若年層が亡くなるという、スペイン風邪特有の傾向があったこと。 さらに、1918年のインフルエンザの感染者のうち、最多ではないにせよ、かなりの人々が(大量生産できる抗生物質がまだ存在していなかったせいで)二次感染で亡くなったことである。 全世界の致死率は平均値にすぎず、いかなる流行病の致死率も年齢、人口、地勢によってかなり異なる。 例えば、スペイン風邪の流行時の致死率は、ある地域では1パーセント未満だったが、アラスカのある村では90パーセントだった。 とはいえ、表面的な比較を行えば、このふたつの感染症の間にある数多くの違いがさらに見過ごされてしまう。 いま生じうる現象の予測に、1世紀前のパンデミックに関する怪しげな統計を用いてはならない。 WHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェススが3月3日、新型コロナウイルスによる全世界の致死率は3. 4パーセントだと発表したが、その内容は既知の死亡者数を既知の感染者数で割った結果にすぎず、適正な推定値や確定的な数値ではなかった。 これに対して、感染症の数理モデルを扱う数学者アダム・クチャルスキーと彼の同僚らは、中国におけるCOVID-19の致死率が実際には0. 3〜2. 4パーセントであるとの計算結果を3月に。 、COVID-19の全世界の致死率もクチャルスキーらが示した数値とと。 ただ、この種の推定値は時間の経過や検査数の増加によって変化し続けるものである。 広範な検査が実施されても、COVID-19の全世界の致死率は2パーセント以下にとどまると専門家もいる。 しかし、全世界における最終的な致死率は、現時点でのデータが示す値よりも高くなる可能性もある。 09年に発生したH1N1インフルエンザのパンデミックの際、流行初期に推定された致死率は、実際の値の。 一方、02〜04年に重症急性呼吸器症候群(SARS)のアウトブレイクが続いたとき、初期に推定された致死率は実際の値の。 変動する数字にしがみつくことの危うさ 新型コロナウイルスのパンデミックは重大な脅威であり、迅速かつ大胆な対応を要する。 致死率が0. 5〜1パーセントだとしても、人口が多く相互接続されているわたしたちの世界においては、極めて警戒すべき確率だ。 そして、もうひとつ考慮すべき重要な事柄がある。 それは、COVID-19が致命的ではなくとも、何週間も続く重症疾患を引き起こし、医療資源に過大な負担をかけたり、生涯にわたる健康問題を一部の人々にもたらしたりする恐れがあることだ。 世界中で新型コロナウイルスのアウトブレイクの拡大が抑制されなければ、特に高齢者や基礎疾患がある人々の間で膨大な数の感染者や死亡者が発生する事態を目の当たりにするだろう。 感染症の専門家は3月初め、新型コロナウイルスのパンデミックの規模が、世界中で100万〜400万人が死亡したと推定される1957年の鳥インフルエンザのパンデミックの規模に達する可能性があると。 だが、その可能性は生じうるひとつの過程にすぎない。 いま進行しているパンデミックの結果はひとつの統計値ではなく、感染者の脆弱性、公衆衛生介入の速度と規模、政府の透明性など、社会、経済、環境といったさまざまな要因によって形成されるはずだ。 数値や図表があると、それによって示される事実は確実だという安心感が生まれる。 しかし、危機が進行しているとき、こうした確信は誤解である場合があまりにも多い。 十年以上も前につくり出されたひとつの不正確な統計値が突然広まり、パニックや物資の無意味な買いだめを誘発し、その物資を最も必要とする人々から奪うことになりかねない。 専門家やジャーナリストが、いいかげんな研究から無批判に数値を抜き出し、変動する統計上の数字にしがみつき、そうしたデータを指針として軽率に示すなら、人々を啓発するのではなく混乱させる結果になるだろう。 【重要】新型コロナは、あなたが何歳であろうと感染する。 そして現在進行中のパンデミックにおける比較には、単なる数字の間違いでは済まない危険が潜んでいる。 ",type:o,slug:p,link:i,pubDate:"2020-05-03 11:00:37",pubDateFormatted:"2020.

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100年前5億人が感染したスペイン風邪 なぜ日本も終息に丸2年かかったのか?(文春オンライン)

スペイン 風邪 の 終息

スペイン風邪終息後の世界はどうなったのか? スペイン風邪が流行った頃の経済は、 世界的にはバブル経済と言われ好調でした。 スペイン風邪はそんな好景気の頃に発生したパンデミックです。 アメリカの好景気など 今の状況と少し似ています。 そしてスペイン風邪が流行った後はすぐに不景気にはなりませんでした。 世界的な不況に繋がるのは2回目の流行です。 スペイン風邪は1回目と2回目の流行がありました。 1回目(1918年) 株価バブルが到来し景気に影響がなかった 2回目(1919年) 株価の暴落と10年続く 世界的な不況へ突入 スペイン風邪は世界に比べると日本では被害は少なく、直接的には経済に大きな影響を与えなかったのですが、結果的にはこの頃から 日本経済の終わりが始まりました。 3つの袋とは? 1.使うための袋(銀行口座) 2.貯めるための袋(銀行口座) 3.増やすための袋(投資用口座) また投資用の資金は、日本株ではなくアメリカなどの株へ投資する事も大切です。 またアメリカ株以上に 米国債もきっと大きな魅力となります。 ただ米国債は 証券会社も銀行も 自分たちが儲からないので積極的に販売はしていません。 その理由などはこちらの記事も参考にしてください。 在宅でできる新しい収入を確保 コロナウィルスで問題になったのが 休業や テレワークです。 そしてその影響での 収入の減少は大きな問題になりました。 コロナ終息後は自宅でもできる 副収入を確保しておくことが大切になります。 在宅の副収入は難しいことではありません。 こちらの記事も参考にしてください。 テレビや新聞でも話題の、在宅ワークで人気のあるは今のうちに登録だけでもしておくことをおすすめします。 医療保険などの見直し コロナウィルスの感染拡大で実感したのが「 病気などの治療で働けなくなる期間」の収入の問題です。

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